2008年12月18日
テニスが上達するための意識
突然ですが、クイズです。サッカーにあってテニスないもの、バスケットにあってテニスにないもの、あるいはバレーにあってテニスにない、そして、野球にあってテニスにないものは何でしょう。
え?いいから早く教えろ。わかりました。それは自分の身方にパスあるいはトスをすることです。テニスの場合は身方にパスをすることはないわけです。
野球などは特に相手に取りやすいボールを投げることは、プレーをするうえで重要な技術になります。ですから、キャッチボールで基本的に相手の胸元を目掛けて投げる練習を毎日します。
ところがこの考え方がテニスに持ち込まれているような気がするのです。ベースラインで打ち合うラリーで相手の打ちやすいところに打ちやすいボールを打つ練習をいつまでも一生懸命しているケースをよく見掛けます。
最初のウォームアップで10分、15分程度のそんなラリーをするのはわかりますが、1時間も2時間もやる意味はないと思っています。テニスは相手に続けさせないスポーツですから、相手の打ちやすいボールを打つ練習ばかりすることに疑問を感じます。
とは言ってもきれいに安定したラリーに憧れる気持ちもわかります。しかし、ラリーを続けることを主たる目標にするのは違う気がします。あくまでも技術の上達の結果として安定したラリーが打てるようになるわけで、それを目標にしてしまっては、ウィナーを取れる鋭いショットの習熟を遅らせてしまうと思います。
オーストラリアで、ろくにラリーも続かないのに強い人はたくさん見ました。
相手の打ちにくいボールを打ってつい「ゴメン」なんて言ってしまう練習は変えるべきでしょう。
この辺りをビンスは特にこだわっていました。だらだらラリーをいつまでもしてようものなら、生徒達はクラブハウスから出てきたビンスによく怒鳴られていました。「いったい何の練習をしているのだ」と。
コーチとしてラリーが続くようになると見た目に上達したように思えるし、生徒自身もそんな気になります。ですから、相手の打ちやすい、ゆったりとした球を打つことが身に付いてしまうのかも知れません。
野球のように安定したキャッチボールをイメージして、ラリーの練習をしてしまうことの意味をもう一度考えた方がいい気がします。
今回オーストラリアのビンスバークレーアカデミーへテニスツアーを企画しました。本格的なオージーテニスのなか、刺激を受けテニス観が変化すると思います。よかったら、一緒に行きませんか。
勝者のフットワーク塾 中屋
コメント
この記事へのコメントはありません。