2010年04月20日
報酬と罰の効果 中屋の響き:鐘の音
アメリカのある大学の実験で、創造的な作業に対するアメとムチの効果と単純な作業に対するアメとムチの効果を比較するというものがありました。
いくつかの作業をさせその成績に合わせ報酬を与えるという実験で、自然に考えると報酬に合わせてパフォーマンスも上がるはずです。ところが、作業の種類によっては報酬が期待通りに機能しないケースがあったというのです。
作業が単純で機械的に出来るものは報酬は期待通りに機能し、報酬が大きいほどパフォーマンスも良くなったのですが、作業が創造的で認知能力が必要なものは、よい大きな報酬はより低い成績をもたらしたのです。
この実験については文化的なバイアスがあるかもしれないということで、生活水準、地域を変えて実施されましたが、結局、同じ結果が得られたそうです。
この結果は何を意味しているのでしょうか。実験を行った学者はこう言っています。
「報酬というのは視野を狭め、心を集中させるものです。報酬が機能する場合が多いのはそのためです。だからこのような狭い視野で目の前にあるゴールをまっすぐ見ていればよい場合には、うまく機能するのです。しかし右脳的でクリエイティブな問題では、そのような見方をしているわけにはいきません。答えが目の前に転がってはいないからです。周りを見回す必要があります。報酬は視野を狭め、私たちの可能性を限定してしまうのです。」
ルーチン的、ルール適用型、左脳的な仕事、ある種の会計、ある種の財務分析、ある種のプログラミングは、簡単にアウトソースできます。簡単に自動化できます。ソフトウェアのほうが早くできます。重要になるのは、もっと右脳的でクリエイティブな考える能力にはアメとムチとは違う動機付けが必要なのです。
そして、創造的作業に対する正しい動機付けのキーワードは、自主性、成長、目的だと結論付けています。内的動機付けを利用するというわけです。一方、外的動機付けは報酬と罰で、これは創造的なパフォーマンスにはマイナス要素になる可能性があるということです。
さて、テニスでの報酬と罰といえば、勝つことと負けることです。単純な練習を何千時間もするための動機付けとしてはこの外的動機付けが機能するでしょう。しかし、創造的な練習をするための動機付けには内的な動機付けの効果を期待すべきでしょう。
時間の限られた一般のテニス愛好は、いかに内的動機付けを自分に課すかが問題です。勝ちたい負けたくない、この気持ちが返って視野を狭くし、パフォーマンスのレベルを下げているかも知れません。キーワードは自主性、成長、目的です。
勝者のフットワーク塾 中屋
いくつかの作業をさせその成績に合わせ報酬を与えるという実験で、自然に考えると報酬に合わせてパフォーマンスも上がるはずです。ところが、作業の種類によっては報酬が期待通りに機能しないケースがあったというのです。
作業が単純で機械的に出来るものは報酬は期待通りに機能し、報酬が大きいほどパフォーマンスも良くなったのですが、作業が創造的で認知能力が必要なものは、よい大きな報酬はより低い成績をもたらしたのです。
この実験については文化的なバイアスがあるかもしれないということで、生活水準、地域を変えて実施されましたが、結局、同じ結果が得られたそうです。
この結果は何を意味しているのでしょうか。実験を行った学者はこう言っています。
「報酬というのは視野を狭め、心を集中させるものです。報酬が機能する場合が多いのはそのためです。だからこのような狭い視野で目の前にあるゴールをまっすぐ見ていればよい場合には、うまく機能するのです。しかし右脳的でクリエイティブな問題では、そのような見方をしているわけにはいきません。答えが目の前に転がってはいないからです。周りを見回す必要があります。報酬は視野を狭め、私たちの可能性を限定してしまうのです。」
ルーチン的、ルール適用型、左脳的な仕事、ある種の会計、ある種の財務分析、ある種のプログラミングは、簡単にアウトソースできます。簡単に自動化できます。ソフトウェアのほうが早くできます。重要になるのは、もっと右脳的でクリエイティブな考える能力にはアメとムチとは違う動機付けが必要なのです。
そして、創造的作業に対する正しい動機付けのキーワードは、自主性、成長、目的だと結論付けています。内的動機付けを利用するというわけです。一方、外的動機付けは報酬と罰で、これは創造的なパフォーマンスにはマイナス要素になる可能性があるということです。
さて、テニスでの報酬と罰といえば、勝つことと負けることです。単純な練習を何千時間もするための動機付けとしてはこの外的動機付けが機能するでしょう。しかし、創造的な練習をするための動機付けには内的な動機付けの効果を期待すべきでしょう。
時間の限られた一般のテニス愛好は、いかに内的動機付けを自分に課すかが問題です。勝ちたい負けたくない、この気持ちが返って視野を狭くし、パフォーマンスのレベルを下げているかも知れません。キーワードは自主性、成長、目的です。
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